エッセイ text:ドイケイコ ![]() 「THE BOOK OF THEATRE PRODUCTS シアタープロダクツのメソッド」、 シアタープロダクツ・著、2007年 リトルモア 日常生活の中でファッションという言葉は良くも悪くも様々な意味で使われている。いずれにしても、聞き慣れた身近な言葉といえるだろう。以前から興味のある「シアタープロダクツ」は、そんなファッションと関わりが深いアパレル会社のひとつだ。 なぜ、興味があるかというと「シアタープロダクツ」はファッションの良い意味での可能性を存分に生かしているからである。特にアートの要素が強く、作品自体へのこだわり、パフォーマンス的なファッションショー、ワークショップなど非常に楽しんで鑑賞、参加することができる。また、作品は服や鞄など普段身につけるものがほとんどのため日常生活を送りながらも特別な世界へ溶け込むことができる。 まさに、彼らの活動理念のひとつ「ファッションは、あらゆる場所を劇場にできる」通りのことが起こっているようだ。 ちょっと話がずれるが、私は大の古着好きである。大量の服の山から感性と直感だけで引っ張り出し、かつ試着して体型にフィットし丈がちょうど良かった時の感動も去ることながら、それらを身につけている時の特別感がたまらないからだと思う。ちなみに、惹かれるものは共通して、何年経っても廃れなく、これからも尽きることがなさそうな強い生命力かなにかが潜んでいるものだ。 私が古着を着ている時の感覚は、好きなアート作品を身につけているようで、「シアタープロダクツ」が思案するものとどこかリンクした。 いわゆるアート作品は、残念ながら自宅の狭さや金銭事情から、なかなか購入できない。しかし、それが普段身に着けるものであった場合、意外と可能性は広がるのではないだろうか。ただ、単純に考えると、そこにはアートとしての限界があると思う。けれども、「シアタープロダクツ」なら何か期待できそうだ。作品を身につけることでかき立てられる特別感、想像力などを。日常を劇場的にまでとは言わなくても、ちょっと特別な気持ちで過ごすことができたなら、かなり幸せだと思うな。 ■
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by art-drops
| 2007-02-03 11:18
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