ZAIM開館一周年記念!ART LAN @ ASIA
レポート

text:金子きよ子

c0103430_6223912.jpgこんにちは

先日、横浜市にあるZAIM 開館一周年を記念した国際展ART LAN @ ASIAに行ってきました。

孫芙蓉(ソン・フーロン) 《蚕食》




この美術展は、アーティストでもある増山麗奈さんが、キュレーターとして、自らがドキっとする作品を選び、作家に直談判して共同製作などを行うなどして開催されたもので、中国から10名、韓国から 7名、日本から9名の作家が参加しました。

当日、会場内に一歩足を踏み入れると、そこには予想を遥かに上回る作品群がひしめいていました。しかし、増山さんのフィルターを通過しているためか、全体として、ある統一感があるように感じました。その統一感とは、増山さんがパンフレットで語った、『したたかで強烈な個性。猥雑さと疾走感。』という言葉がまさにぴったりあてはまるなという感じです。

さて、冒頭の作品は、中国の作家孫芙蓉(ソン・フーロン)の《蚕食》という作品です。元々商業デザイナーをしていた彼女は、経済に踊らされる業界のあり方に限界を感じ、郊外で自給自足に近い生活を始めます。そして、国家に縛り付けられて着た人民服やビジネスマンの着るようなスーツをずたずたに切り刻むインスタレーションを展開しています。

このインスタレーションは、展示室に入る前から異様な存在感で迫ってきました。しかし、その異様さは、服がずたずたに切り裂かれているにも関わらず、絶望や、破壊といったマイナスのものではない、熱、それもものすごい高い温度を感じさせるものがありました。数ある作品群の中でも、ひときわ印象に残った作品です。

また、高嶺格(たかみねただす)さんの、ご自身と在日韓国人の妻との結婚を描いたドキュメンタリー映像作品「ベイビーインサドン」には、『突き詰めていくと、国と国の問題なのではなく、個人と個人が、お互いの関係の中で、どう振舞うかが問題なのではないか』というメッセージが込められているように感じられ、心にぐっと迫ってきました。

トータルして、良い悪いという価値判断を超え、今もなお猛スピードで成長し続けているアジアを垣間見させられた、そんな印象を受けました。
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by art-drops | 2007-05-14 06:18 | レポート
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